Doctor

Associate

医師 林 雅

Dr. Masahi Hayashi

そのひとがどう暮らしているのか
どう生きていくのかにも思いを馳せる

Chapter 01

細菌やウイルスが連れてくる
ミステリー

新型コロナウイルスで新興感染症に対する関心が高まり、今後も繰り返されるであろうことへの対応策として、「感染症内科」が注目を集めています。
大同病院でも2023年4月に「感染症内科」を新設しました。総合内科の医師数名が兼務しながら、患者さんの全身に関わる診療を「感染症」というキーワードで、深堀りしていきます。

例えば「黄色ブドウ球菌」や「カンジダ菌」に起因する菌血症は珍しいものではありませんが、抗菌薬の選択などに関して、わたちたちのような感染症の専門家(ICD)が介入することで死亡率が下がるというデータがあります。長期入院や術後の患者さんの治療パフォーマンスを上げ、そのQOLを改善し、退院後の通院頻度を減少させることが可能だと考えています。

わたし自身は、患者さんの身体に悪さをしている菌やウイルスについて突き詰めていったときに、そのひとにいま起こっていることとともに、生活背景やこれまで生きて辿ってきた道筋までが見えること、またそれらにまで思いを巡らせてこそ、病気が紐解かれていくことに、大変奥深さを感じています。

Chapter 02

エイズ拠点病院としての
責務を果たす

代表的な感染症のひとつに「HIV/AIDS」があります。当院は「エイズ拠点病院」として、名古屋市南部および知多半島地域のHIV/AIDS患者さんの診療支援を担う責務を負っています。

薬物療法の進化により、ウイルスの感染性抑制、AIDS発症の予防、免疫機能の維持などが可能となりました。治療ガイドラインが整備され、治療そのものが困難な病気では、もはやありません。
患者さんたちが思い悩んでいるのは“生きるか死ぬか”ではなく、社会的なこと。ネガティブなイメージもあるために、医療機関がHIV患者に対してどう対応していいかわからず、受診を断られることも少なくないのです。

1980年代前半、この世に登場したHIV/AIDSウイルス。エイズ発症や重症化を抑えられるようになったことで、患者さんの予後が改善し、70~80代の方も増えています。がんや心臓病、脳卒中といったごく一般的な病気も多発します。認知症や慢性の老年病などで介護が必要になるケースももちろん出てきますが、介護施設に入所できないことも多く、課題となっています。
わたしたちはHIV/AIDSの管理について責任をもって対応していくと同時に、地域の医療・介護従事者の方に、HIVに関する正しい情報をお伝えし、患者さんたちが必要な医療・介護サービスをしっかりと受けられるよう、取り組んでいきたいと考えています。

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