Doctor

Associate

医師 甘利 優衣

Dr. Yui Amari

人間観察を極めたところに
真のソリューションがある。

Chapter01

文字通りの「全人的医療」を
追求する

大学時代から、将来は膠原病内科へ進みたいと思っていました。膠原病のような自己免疫疾患は生涯つきあっていかなくてはならないことが多く、内科のなかでも、患者さんとのつきあいが特に長くなります。高齢者のみならず若い患者さんも多く、結婚・出産といった人生の大きなイベントに向き合わざるを得ないこともしばしば。
 そういうとき、患者さんのお話しっかり聴いて、どう生きたいのか、いまどのくらい困っているのか、その人のライフプランや年齢、体力に合わせ、どのような投薬や治療をすれば支障が少なく、その希望に合った結果を出せるかを一緒に考えていく。このプロセスがわたしは好きです。
 高齢の患者さんには、孫のように可愛がっていただいています(笑)。一見、病気とは関係なさそうな些細なこと、 “ちょっと気になる変化や不具合”に診断や治療のヒントになることが隠れていることがよくあります。
 血液や画像の検査結果だけではわからない病気は多い。膠原病や感染症の治療は、近年めざましく成長している分野ですが、がんなどに比べれば患者数は少なく、ガイドラインも十分に整備されていません。目の前にいる一人ひとりの患者さんの中にしか、答えがないと言ってもいいかもしれない。触ったときの感じ、患者さんの訴えることばや表情の向こう側にあるものを診て、ときに孫のように、姉妹のように患者さんに寄り添ううちに、みなが「よくわからない」問題の原因に近づくことが多々あります。これってまさに「全人的な医療」であり、それが総合内科医の魅力かなと思っています。

Chapter02

「おかしいな」と思ったら
立ち止まってみることが大事

これまでに、失敗というか、もっとうまい方法があったはず、と反省するようなケースはたくさんありますが、どの症例にも共通していることが、「おかしいな」と思ったときに立ち止まらなかったこと。ある仮説を検証しているときに、その深みにはまってしまって、なかなか他の可能性を考えられなくなることがあります。
 そんなときハッと気づかせてくれるのが、総合内科の指導陣や先輩たち。毎日の症例検討のなかで、答えを示すのではなく、考えさせるための問いをたくさん投げかけてくれます。ディスカッションはいつも真剣、そして気さくで活発。
 わたしは専攻医研修でこの病院を選ぶとき、大学病院と比較をしましたが、女性医師が多く活躍していて、結婚や子育てと両立していける環境が整っていることと、何よりこの、自分で患者さんから答えを導き出せる指導方針がいいなと思いました。その判断は間違っていなかったと思います。
 失敗を恐れず、探求する。前に進むだけじゃなくて、立ち止まることや後戻りすることも、厭わない環境がありがたいです。

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