Doctor

Manager

医長 加藤 瑞樹

Dr. Mizuki Kato

病態を推察することで
病気の本質に迫る。

Chapter01

目の前に起きていることに
向き合う総合内科医の矜持。

総合内科医には、なんでもできる内科医=「カッコイイ」というイメージがありました。いろいろな専門ジャンルの狭間に落ちてしまう病気が、世の中にはたくさんあります。そういうところで苦しんでいる患者さんたちに、「違う視点で診たらわかることがある」ということを知ってほしいと思いましたし、いろいろな科の先生方にとっては聞いたことはあるけれども、その疑いは感じるけれども、鑑別に自信が持てない、というときにお力添えできたら、と考えるようになりました。

わたしたちの診断は、まず病態をよくよく観察することから始まります。プロブレムリストを多く挙げれば、それぞれに莫大な数の鑑別がついてきて判断がつきにくくなることがありますが、そうではなく、目の前にある現象がどのようなメカニズムに起因しているのかを、共通項を求めながら探ってゆくのです。そのために一番大切にしているのは、身体所見や検査のアセスメントをしっかり行うこと。基本中の基本とも言えますが、そこに真摯に向き合うことが、総合内科医、そして自己免疫疾患のプロとしての矜持でもあると思っています。

Chapter 02

診断学のエクセレンスを
高めたい。

ジャンルを問わない診断学を身に着けようとすると、医師として自分自身の専門性が乏しくなるというリスクはあります。わたしは、膠原病を専門科として選び、自己免疫疾患について特に深めていくことにしました。不明熱として紹介されてくる患者さんが膠原病をともなっていることは非常に多いのです。

また、ICTやAST活動を通して院内全体の感染症診療に携わるとともに、感染症診療の原則論に基づいた診療を心がけています。もちろん肺炎、尿路感染症といったごくありふれた感染症も疎かにすることはありません。患者さんの社会背景や思想に沿った医療を提供しています。

自己免疫疾患とともに、全身性疾患として血液疾患にも着目しています。例えば、70代男性の反復性発熱、心膜炎、筋炎、脳症などを呈した慢性骨髄単球性白血病(CMML)の症例がありました。もともと治療適応のないCMMLのある方に、原因不明の発熱、心膜炎、脳症を繰り返していたのですが、あるとき、前胸部、腸腰筋、上腕二頭筋などあちこちの筋肉が腫大しました。CMMLによる徴候と考え血液内科に依頼し治療していただいたところ症状の消失を認めました。CMMLは通常、芽球増加や血球減少などがないと治療されないことが多いのですが、総合内科が各診療科の間に入ったことで解決できた症例です。
このように、血液内科をはじめ、院内の他の診療科と密接に連携し、医療の専門性の隙間に患者さんが埋もれることがないよう、診断の卓越性を上げていきたいと思います。

TOP
TOP