Doctor

Manager

医長 渡辺 充

Dr. Mitsuru Watanabe

地域医療の全体最適化に
貢献したい。

Chapter 01

絡んだ糸を
ほどいていくのが面白い。

 わたしが生まれ育った地方都市では、どんな病気もなにもかも一緒くたに診てくれた、そんな記憶があります。昔は皆、そうだったんだと思います。大同病院もほんの数年前まではそれほど各科の専門性が高くない分、縦割り感は出てきました。高度急性期病院としての機能を追求すればするほど、それは宿命ともいえます。
 そんな中で、2015年に膠原病内科が立ち上がり、そのメンバーを中心に「総合内科」として、診療科間のグレイゾーンで宙ぶらりんになりがちな患者さんたちを診療するというプロジェクトがスタートしました。若手医師の教育も兼ね、患者さんにとってもよりよいアウトカム(結果)を提供することができるWin-Winの試みです。
 総合内科の診療には、絡んだ糸をほどいていくような面白さがあります。わたしは岐阜県にある総合病院で初期研修をおさめました。そこでは診療科が揃っていない分、まずは自分で考えてみるというスタンスのある風土で、一つひとつ病態を観察し、凝り固まったものをほぐしていくような魅力にとりつかれる一方で「患者さんをみる」というはたらき方にやりがいを感じるようになりました。

Chapter 02

高齢者医療を
言語化していきたい。

 現在、病院ではたらきながら、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学院で公衆衛生の勉強をしています。医療施策や疫学などを幅広くマクロな視点で学びながら考えるのは、地域医療や高齢者医療には、言語化したり数値化して視える化すべきことがたくさんあるということです。
 例えば誤嚥性肺炎の患者さんに対して、薬の使い方や、適切な治療期間などを考える場合にも、経験値だけで行うのではなく、過去のデータと比較したりしながら、ベストプラクティスを見つけていくというアプローチも必要だと思っています。
 高齢者医療は奥深い。医療の専門化からこぼれてしまった領域としてではなく、高齢者医療という専門性をどんどん進化させていくことが、地域医療の全体最適化につながっていくのではないかと考えています。
 
 総合内科は、メンバーそれぞれの背景によりいろいろな視点を持ち、ゴールも多様です。でも共通するのは「患者さんをみる」という熱誠。異なる専門性を持つものが集まっているからこその強みを生かし、地域に貢献していきたいと思います。

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